2015年度 青木湖漁協インタビュー情報 (大町市役所 産業立地戦略室提供)

はじめに

以下のインタビューは2015年度の元青木湖漁協組合長:太谷正祥さんに大町市役所がインタビューをした記事を共有いただいた情報となります。
2022年現在は、ヒメマスの対面販売を承っておりませんので、予めご了承ください。

記事本文

2015年1月29日、中綱湖で氷上ワカサギ釣りが解禁になりました。前回は2013年、その前は2006年で、穴釣りファンにとっては待望の解禁です。中綱湖と青木湖に漁業権を免許されているのが青木湖漁業協同組合です。組合長の太谷正祥(おおたにただよし)さんに漁協のお仕事についてお話を伺いました。

氷上ワカサギ釣りは、天候状況により解禁を判断しています。
穴釣り解禁状況は、大町市観光協会ホームページでご確認ください。

太谷正祥さん

―― 漁協の仕事とはどのようなものですか?

太谷さん
 ヒメマスやシナノユキマスなどの養殖と放流、販売が事業の柱です。
昔は、魚は全部が自然ふ化で、数も随分と居たらしいけれど、今は取水の関係で水面が上下するから魚の産卵には適しません。それで、このセンターで育てて、放流することが必要なんです。

水産業の振興と環境の保全という二つの観点から漁協に課せられた大事な役目です。

ヒメマスは、塩焼きや刺身、フライなどにするとおいしい魚です。11月20日ころに支笏湖から卵で来て、ここで1月10日前後にふ化します。それを体長5センチくらいまで大きくして、4月末から5月ころに野尻湖に2万尾を出荷しています。それとは別に成魚槽に移す分が3万尾あります。こちらは湖水放流用としてさらに大きく育てて、青木湖に放します。

太谷さん シナノユキマスは、長野県水産試験場佐久支場で育てられた魚です。東欧から来たサケの仲間です。佐久支場から稚魚を購入して、ここで育てています。刺身用、三枚おろしで、身が白いので紅白魚に良く使われます。ただ、知名度が低くて、売れ行きもまだまだです。食べれば、そりゃうまいですがね。


遊漁券の販売もしています。週末などは釣り人も多く、ワカサギ、コイ、ここではアカウオって呼んでるウグイ、ドッコブナって呼んでるマブナなんかが釣れます。冬のワカサギ釣りは、硬い氷がなかなか張らないので、できない年の方が多いです。漁協の収入源の一つなんだけれど、なかなか条件が整わないのが辛いですね。一日券を買って、腕次第で、いくらでも釣れます。上手な人は200尾も上げますよ。


ヒメマスとシナノユキマスは、こちらのセンターに来ていただければ、係員がおりますから買うことができます。一般の方でも大丈夫。誰でも購入できます。ただ、午後は留守になりますので、午前中にお願いします。

――これらの魚はどこで買えるのですか?

太谷さん ヒメマスは放流に使う分が多いので、販売できない時期もありますが、シナノユキマスは大丈夫ですよ。ここで売っていることを皆さん知らないので、宣伝してください。
ヒメマスの稚魚は白馬の小学校で給食に使ってもらっています。ワカサギくらいの小さいときに、天ぷらで食べてもらっています。大町市でも子供さんに食べてもらいたいですね。
ワカサギやその他の魚は、販売はしていないので、釣っていただくだけになります。ワカサギは冬に限らずに釣れますよ。

シナノユキマス
ヒメマスの稚魚

――春には中綱湖でワカサギの卵の放流も毎年行っているそうですね。

太谷さん ワカサギを育てることも大事な仕事です。中綱湖のワカサギ釣りは歴史が長く、戦前から続いていると聞いています。伝統を絶やさぬよう守っていくつもりです。4月下旬に卵を持って来て、湖でふ化させています。

中綱湖で使う卵3千万粒は、北海道・網走のものです。冷蔵で空輸されて松本空港に着きます。青木湖で使う卵4千万粒は、諏訪湖から購入しています。2カ所から購入しているのは、リスク分散のためです。年によっては卵が採れないこともありますので。

卵は水を入れた大きなトレイに移してから、シュロを張った板をくぐらせます。ワカサギの卵は他のものに付着する性質があるので、ふ化箱のいかだに載せた後でも落ちません。そのままだとふ化箱全体が水没しないため、重しとして石を載せています。これを岸から少し離れた場所に係留します。その後、だいたい1ヶ月でふ化します。

卵を死なせないように、迅速に作業を進めなければなりません。組合員が集まって、協同で作業を行います。卵も数が多いので大きな金額になります。一粒も無駄にはできません。

――組合には何人くらいの方が所属しているのですか?

太谷さん 組合員は、青木湖の東岸と西岸、それと中綱湖を合わせて65人。ただ、専業の人は誰もいません。その中で、置き網を使って漁をしているのも3名。皆、農家の兼業ですね。かつては多くの人が生計の足しにしていたけれど、今は採算がとれなければやらないというふうになっています。皆、高齢で70歳代ばかりになってきています。

――仕事をする上でのこだわりはどんなことですか?

太谷さん 私たちは卵から魚を育てています。命を預かっていることを意識して、ふ化してから大きく成長するまで育てることに気を使っています。

 生き物なので数が多いと弱い個体もいます。どうしても病気になる魚も出てくるのですが、それが全体に広がらないように、早めに取り除くなどしています。

――新しい取り組みや事業展開があれば教えてください。

太谷さん 新しい取り組みとしては、新しくふ化器を入れて、ワカサギをふ化しようということを始めています。中綱湖で行ったようなシュロ方式だと、ふ化率は6割程度ですが、ふ化器ならば百パーセント近くまで行きます。

 加えて、ふ化するまで3日しかかかりません。今のところはワカサギ専用ですが、非常に成績が良いので、他の魚にも使えないかと考えています。

卵をシュロを張った木枠に付ける
ワカサギの卵用のふ化器

――新しい取り組みや事業展開があれば教えてください。


太谷さん 新しい取り組みとしては、新しくふ化器を入れて、ワカサギをふ化しようということを始めています。中綱湖で行ったようなシュロ方式だと、ふ化率は6割程度ですが、ふ化器ならば百パーセント近くまで行きます。

加えて、ふ化するまで3日しかかかりません。今のところはワカサギ専用ですが、非常に成績が良いので、他の魚にも使えないかと考えています。

――大町の地域資源の魅力についてお聞かせ下さい。

太谷さん やはり、水の透明度、水温などが養魚場に適しているが強みですね。ヒメマスの育成をしているのは、県内ではここだけです。まさに特産品ですよ。5万5千匹を育てています。地下水を使って育成させているんですが、水温は一年通して、9~10度です。夏でもそれほど変わりません、ヒメマスには最適な温度です。水質の良さは病気の発生率にも大いに影響していると感じています。地下水はポンプで揚げてますから、電気が止まってしまうとだめなんですが、そのための発電設備も用意しています。成魚槽では地下水と湖水を併用しています。

――最後に市民の皆様にメッセージをお願いします。

太谷さん 時代が変わって、料理に手間が掛かる食材が避けられる風潮があります。買ってきたもので手軽に済ませちゃおうっていう感じでね。特に生魚なんかは、独特の匂いもあって嫌われることもあるんですよ。日本では消費量が少ないです。

 皆さん、食べてみればおいしい魚だと言ってくれますが、この魚自体を試してもらう機会自体が減ってしまっているんですよ。市民の皆さんには、ここで年中無休で販売しておりますので、ぜひご賞味ください。

引用元

大町市役所 産業立地戦略室
 青木湖畔に建つ青木湖姫鱒増殖センターインタビューより

https://www.city.omachi.nagano.jp/richi/iu/22_aokikogyokyou.html

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